アマモの一年

種子によって、いろいろな場所に広がっていきます。

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これは、アマモの花枝の写真です。花枝とは、種子が詰まっている枝のようなものです。3月から6月にかけて、このように種子が作られます。まだ、熟しきっていないので青いままです。
7月ごろになると、この花枝の部分が切れて、波にさらわれ遠くへ流れていきます。アマモは、海流によって、いろいろな場所に広がっていくのです。

 

種子からの発芽には、いろいろな条件が必要です。

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 8月ごろになると、左の写真のように種子は黒く熟してきます。種子の大きさは約3~4ミリ、重さは約0.01グラムぐらいです。
種子は、熟してはいますが、このままではあまり発芽はしません。自然状態では、1月~2月ごろに発芽すると言われていますが、実験では、温度が高い方が発芽するとされています。また、海に種子を撒いても7%しか成長しないとも言われており、逆に真水の中では、60%以上の種子が発芽するようですが、その場合は大きく成長出来ないようです。アマモが良く成長するには、真水と海水の微妙な環境条件が必要なのかもしれません。

右の写真は、アマモが発芽した時のものです。芽のように見えるものは、胚軸と呼ばれるもので、これが葉になることはありません。この胚軸を伸ばし、光など成長に適していることが分かってから、緑の葉を伸ばしていきます。

 

秋から春にかけて成長します。

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 4月になると、種子から発芽したアマモは、約10~15センチの大きさになります。7月の初めぐらいまでの間は、成長を続け、大きなものでは、2メートルぐらいにもなります。

 

種子だけでなく、地下茎で増えます。

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アマモは、種子でも増えますが、地下茎(根茎)でも増えます。茶色く、太くて根のように見える部分が地下茎です。その節の部分から根が出ます。
夏の暑くて成長に適さない季節は、葉を枯らして、地下茎で生き残ります。そして、秋になって涼しくなってから、地下茎の先端から新たな葉が出てきます。

 

参考