6月に採取して、海水中に保管していたアマモの花枝から種子を取り出し、熟している種子を選別しました。
昨年度は、アマモを砂ごと保管していたため、砂と種子との選別に手惑いましたが、今年は、そういうことも無く、手際よく選別が終わりました。
重さにして約240グラム、約12,000個の種子が確保できました。
この種子を10月に生名島蛙石にて、播種する予定です。
暑い中、皆さんご苦労様でした。
 

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活性炭と一緒に密封し、冷蔵庫で保管しています。
 

 

今年度から、アマモ場だけでなく、ガラモ場についても保全活動を行おうと、ガラモ場の植生の調査や、写真撮影などを行いました。調査の参加者は、岩城生名漁協の漁師たち、愛媛漁連の潜水夫さん、アミタ持続研の研究員たちです。

ガラモ

ガラモ場とは、ホンダワラ類などの褐藻が生えているところです。ホンダワラ類には、アカモク、ノコギリモク、ヒジキ、ウミトラノオなど約60種類の種が含まれています。海のきれいさ(透明度)などの環境条件や、人による採集の頻度によって、生育する種が変化します。ガラモ場は、魚の産卵場所、魚の稚魚が生育する場所として重要な役割があり、日本各地で保全活動が行われています。

 

ガラモ場の調査

 天候は、快晴。調査日和でした。時折、風が吹き、暑さも、それほどではありませんでした。

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 調査場所は、岩城島から、南方2キロにある、無人島の「津波島(つばじま)」周辺海域です。

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今回、調査用に漁船を出したのは、浜磯さん。

 

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潜水夫の方に、水深5~7メートルのところの、ガラモを引き上げてもらい、分類しました。7月半ばと、大部分のガラモが枯れて流れてしまった後という、調査には適さない条件でしたが、「ヒジキ」、「ノコギリモク」、「ミリン」、「ジョロモク」、「ウミトラノオ」、「イバラノリ」などが確認されました。

 

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岩城、生名周辺海域は、「ヒジキ」が多く分布していました。今でも、生食用、加工用に「ヒジキ」を採取していますが、採りきれないぐらいの「ヒジキ」が分布しています。

 

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コンブ類の「カジメ」も確認されました。味噌汁などの汁物で食べられる褐藻類です。類似種のアラメと比較すると、あまり流通していない海藻です。

 

調査地点


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昨年、岩城島の菰隠(こもがくし)に移植したアマモの様子を確認しました。

 割り箸につけて、移植したアマモは、50~70センチとかなり大きくなりました。

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種子を生分解性のポットに入れて植えたアマモも、当初は成長が遅いように思われましたが、今は、30~50センチの大きさになっています。ポットも、大部分が分解され、所々に、その跡が残っているぐらいでした。

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2008年度のアマモ移植場所は、生名島の蛙石の海岸を予定しています。
その移植予定地の様子を確認するために行ってきました。
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7月3日、快晴の空の下、岩城生名の漁師たち総勢20数名で、愛媛県中予水産試験場に行ってきました。中予水産試験場には、これまで何度もお世話になっている、愛媛県のアマモ保全活動の中心人物である平田主任研究員がいます。平田さんに、これまでの活動内容や、簡単なアマモ保全方法などを教えていただき、今後のアマモ保全活動に生かしていきたいと思います。
また、この他、漁師の皆に関心がある、今年から中間育成を始めた「イワガキの養殖」の話や「アサリの増殖方法」の講義も受けました。
時間をオーバーするほど、内容の濃い講義をしていただきました。

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平田主任研究員

講義の後は、水産試験場の中の施設の見学を行いました。
講義を受けている間は、静かにしていた皆も、魚を前にすると、聞きたいことがいろいろあって、長い時間、魚や貝の水槽の前で、水産試験場の研究員の方に、「中予水産試験場では、どんな種苗を生産しているのか?」「イワガキを、今後どうやって養殖していくのか?」「アサリを増やすにはどうしたら良いのか?」などなど、興味は尽きません。

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採取されたアマモ

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予定より30分以上長く、お邪魔して帰りました。
中予水産試験場の皆様には、大変お世話になりました。
ありがとうございました。