1月21日に、藻場保全活動のモニタリング調査を実施しました。悪天候で、風も強く(西南西5m)、目視のみによるモニタリングとなりました。予定の5ヵ所(①③⑦⑪⑮)の状況を船上から写真撮影しました。 状況としては、強風、高潮等により海域がかなり濁れ、特にヒジキの生育確認はできなかった場所が多かったですが、一部の区域⑮の岩場ではヒジキが順調に生育している確認ができました。今回確認できなかった場所は後日モニタリングを行います。
 
区域①(こもがくし)
水温;10.2度
①から⑪までは、強風と高潮で目視による確認は出来ませんでした。
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区域③(赤石)
水温;10.2度
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区域⑦(大手原)
水温;10.2度
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区域⑪(ジネンゴ)
水温;10.2度
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区域⑮(蛙石)
水温;10.2度
何とか目視でヒジキが確認できました。
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岩城島もかなり寒くなってきましたが、引き続きモニタリングを行っていきます。
寒い中ご協力くださった上島町の岡本さん、お疲れ様でした。

  12月5日と6日の2日間、藻場の面積調査を行いました。
魚探および目視にて船上から藻場の境界を探り、GPSでポイントを記録して行きます。
初めてのこともあり、最初は時間がかかりましたが、徐々に慣れて、何とか時間内に全ての区域の計測を終える事が出来ました。
 調査後、地図ソフト(カシミール3D)を用いて調査区域の藻場面積を推計しました。以下はその結果です。

岩城島西(保全区域①~③)
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岩城島東、生名島(保全区域④⑫⑬⑭⑮)
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赤穂根島(保全区域⑤~⑦)
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津波島(保全区域⑧~⑪)
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11月21日に、今年度の保全区域における、藻場保全活動の4回目のモニタリング調査を実施しました。天気は晴れ、早朝6時30から、保全区域①③⑧⑨⑩⑪⑮の7ヵ所において目視と水中撮影、藻の種類、生息状況の確認を行いました。また、今年のヒジキの採取を今日から開始しました。特に芽ヒジキとして食用に生産します。

区域①(こもがくし)
水温:18.4度 水深2m
種類:ガラモ、ヒジキ、アナアオサ
母藻、スポアバックの状況:良好 
長さ:ヒジキ70cm ガラモ1.0m アナアオサ 
被度:ヒジキ5、ガラモ3 
底質区分:小石

スポアバックではかなりヒジキが成長しています。
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区域③(赤石)
水温:17.8度 水深2m
種類:ガラモ、ヒジキ
母藻、スポアバックの状況:良好 
長さ:ヒジキ30cm
被度:ヒジキ2
底質区分:砂

ブロック基質からの発芽は確認できませんでしたが、周辺でヒジキが育っていました。
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区域⑧(ビヤクビ)
水温:17.7度 水深1m
種類:ヒジキ
長さ:ヒジキ30cm
被度:ヒジキ2 
底質区分:砂

ここはヒジキ場ですが、30cmほどのヒジキが確認できました。
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区域⑨(津波東)
水温:17.8度 水深0.5m
種類:ガラモ、ヒジキ
長さ:ヒジキ45cm ガラモ1.1m
被度:ヒジキ3、ガラモ3
底質区分:砂

ここでは、食用に収穫できるヒジキがかなり育っています。
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区域⑩(津波南)
水温:17.9度 水深0.5m
種類:ガラモ、ヒジキ、ウキウチワ、マクサ
長さ:ヒジキ30cm ガラモ0.5m
被度:ヒジキ3 ガラモ3
底質区分:砂


ここでは、ヒジキの他にも多くの海草類が確認できました。
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区域⑪(ジネンゴ)
水温:17.9度 水深0.5m
種類:ガラモ、ヒジキ、ウキウチワ、クロメ、ノコギリモク
母藻、スポアバックの状況:良好 
長さ:ヒジキ30cm ガラモ0.8m
被度:ヒジキ5 ガラモ5
底質区分:砂

ここでも、ヒジキの他にも多くの海草類が確認できました。
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区域⑮(蛙石)
水温:17.9度 水深0.5m
種類:ガラモ、ヒジキ
母藻、スポアバックの状況:良好 
長さ:ヒジキ30cm ガラモ1.0m
被度:ヒジキ2 ガラモ2
底質区分:砂

スポアバックからの発芽は、確認できませんでしたが、周辺ではかなりの長さのヒジキが生育していました。
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ヒジキに関しては、全ての区域で生息が確認できましたが、区域によって成長の差が極端なようです。
潮の流れや、水深等が関係しているようです。

今後も引き続きモニタリングを継続していきます。

 11月5日から7日の3日間、アサリの稚貝放流場所の整備と稚貝の放流を行いました。
単にアサリの稚貝を海岸に播けばいいというものではありません。これまでに調べた方法を試験的に試すことにしました。

放流実験場所は、赤石と長江の2ヵ所です。この2ヵ所に20㎡の場所を確保して放流します。

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まずは、位置確認と枠決めです。砂の粒度や満ちたときの水深等を考慮して設定しました。潮が満ちるまでの約1時間の作業時間しかありません。早急に作業します。5日の作業はここまでです。

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次の日の作業です。アサリが潜りやすいように、砂を掘り返します。まさに、「漁師、海を耕す。」

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次に、稚貝を放流します。一ヵ所あたり約50kg、9600個の稚貝を放流しました。赤石地区では、モニタリングの為、1㎡に3㎏の稚貝を放流した調査地点を設定して毎月1回調査することにしました。

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また、長江地区では、試験的にかごに入れて放流をしています。最後に網を張って完成です。

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潮が満ちてくると、アサリはゆっくりと土の中に潜っていきました。

このアサリがちゃんと根付いて、アサリの資源が回復して行くことを祈ります。

 岩城島、生名島の海岸では、「昔アサリがたくさん取れた。」という話を漁師さんからよく聞きます。
しかし、ここ最近はアサリがほとんどいなくなっており、昨年の調査でも、ほとんどアサリは発見できませんでした。アサリ資源の復活方法をいろいろ調べていると、伯方島栽培技術開発センターがアサリの人工ふ化の研究を行っていると聞き、早速お話を聞きに行ってきました。主任技術開発員の兼松さんと、技術開発員の山田さんにアサリの資源管理について説明いただきました。

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 ここでは、アサリの人工ふ化について研究しており、アサリ資源の復活の取り組みについてもいろいろと情報交換が出来ました。「アサリが住み着くには砂の粒が1ミリから2ミリが最適。」、「潮がよどむと腐汚が着き呼吸が出来なくなるので、立入禁止区域を設置しネットを張りプランクトンが付着するようにするのがよい。」等、今後の取り組みの参考になる意見をいただきました。また、ここの人工ふ化施設では、5月に人口孵化を開始して、7月から8月ごろまでに10ミリ~20ミリの稚貝を供給できるようです。

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今後は、いただいたご意見や情報を参考にしながら、また、技術協力をいただきながらアサリ資源の回復に取り組んでいきたいと思います。