一本釣漁業

 一本釣りとは、網を使わず、糸と針で魚を釣る漁法です。
 一本釣りは「竿釣り」が一般的によく知られていますが、岩城生名海域では手で糸を巻き上げる「手釣り」が中心に行われています。手釣りは漁業の中でも最も小規模で、漁具の構造も簡単です。そのため、ほとんどの場合1人、または数人で漁をすることが出来ます。しかし魚の種類や習性、海況、時期などに合せて漁具・漁法を変えるため、長年の経験や知識、巧妙な技術を要します。

 手釣りは、磯の多い岩城生名海域に適しており、アコウ、タイ、ヒラメなど高級魚が多く獲れます。一本釣りで獲った魚は、網で獲った魚に比べ、傷がつきにくく、海の中で生きている状態に最も近いため、鮮度が良く、高級料理店などで重宝されています。